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一生忘れない
今日で震災から一週間。
まだ余震が続いているけど、少し気持ちも落ち着いてきたので記録しておこうと思う。
まずは亡くなった方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

地震のあった瞬間、3月11日14時46分は渋谷のオフィスで仕事をしていました。
ちょうど実家から送られてきた六花亭のお菓子が会社に届いたところで、
マルセイバターサンドを片手に食べていた。
ゆさゆさと揺れ始め、普段ならすぐおさまるところが、どんどん揺れが強くなる。
どこかでバタンと何かが落ちる音、モニタをおさえる同僚。
それが何分ぐらい続いていたんだろう?おさまったと思ってしばらくしたら
また強く揺れ始め…死の恐怖を感じました。
ビルの4階だったにも関わらず、船酔いするようなものすごい気持ち悪い揺れでした。

すぐTwitterで「マルセイバターサンド吐きそうになった」というのんきなツイートをしたものの、
なんか大変なことになっているらしい…ものすごい速さでTLが流れている。
どうやら震源地は東北で震度8らしい(のちに9と判明)、東京は震度6らしい、電車がストップしたらしい…
ニュースを見れば見るほど、いかに被害が甚大かが判明して胸が痛んだ。

とりあえず近しい人の無事を確認しようにも、携帯が繋がらない。
かろうじてTwitterで繋がっている人の安否が確認できた程度。
これは参った。人の無事も、自分の無事も伝える手段がない。

夜になって、どうやら今日は電車が動かないらしいということが判明し、
会社に泊りになるなら酒でも飲むか…とコンビニに食料と酒を買いに行ったところ、
レジ長蛇の列。もうほとんど食料が無い。
仕方なくビール(これは大量に在庫があった)とつまみを買ってオフィスに戻り、同僚と乾杯をした。

再度携帯で電話してみようと試みるも、まったく繋がらない。
固定電話や公衆電話だと繋がるらしいと同僚に聞いて、公衆電話を使おうと
外に出てみると、道には歩いて帰る人があふれかえって、カオスになっていた。
なにこれこわい…!
不安な気持ちを押し殺し、30分ほど並んで、とりあえず親と、大事な人には連絡をとって、
まずはひと安心…。
その日予定していた飲み会も当然、お流れに。

会社に戻ると、歩いて帰る組と、会社に泊る組に別れて、歩いて帰る組は次々と会社をあとにしていった。
私は比較的家が近いほうだから(たぶん歩いて2〜3時間ぐらい?)歩いて帰れないこともないけど、
女が夜ひとりで歩いて帰るのは危険だからそこにとどまるべき、というツイートも見かけて、
どうしていいかわからず悩んでいると、K澤さんが「自転車貸してやろうか?」と…!
自転車だったら大丈夫かもと勇気を得て、お借りして家まで帰ることに。

ルートがよくわからないので、知っている大きい道を思い出し、
渋谷のオフィスから246→山手通り→目黒通りと行くことに。

深夜にも関わらず、道は人であふれかえっている。
歩道がほとんど通れないので、車道を自転車で爆走する。
そうやってスピードを出していないと、なにか得たいの知れないものに
絡めとられてしまいそうで不安だったから、とにかく無心でこいだ。
日常ってこんなにもあっけなく崩れ去るんだなと思うとこわかった。

山手通りを中目黒方面に走らせていると、ちょうど以前住んでいたエリアに出た。
無心でこいでいたのに、急になつかしい気持ちと、その場所から引っ越して4年経って、
自分がすごい勢いでその頃から遠ざかってしまったという事実がこみあげてきて、
涙が出てきた。

なんとか不安や弱い気持ちになる心を奮い立たせ、目黒通りに入ってから
環7に出るまでが、また涙が出るほど遠くてしんどかった…。
途中横断歩道で、距離感の微妙なカップルが「俺の部屋散らかってるけど…」
みたいな会話してて、このチャンスを有効に使っている人も世の中にいるのだな、
とたくましく感じた。

都立大あたりで道がわかってきて、住宅街を抜けるショートカットがわかって、
そこからは気持ちも持ち直した。
そのまま家には帰らず、近所のいつも行くカフェに向かったら、明るい店内は
いたっていつも通りで、見知った顔もいつも通りで、その顔見たら、
安堵で足がふるえてとまらなかった。
生きていられるだけでありがたいことなんだって心から思った。
家に帰ると、皿が4枚割れていた。

それから今日まで一週間、長かったような、あっという間だったような。
余震も続いているし、スーパーもあまり在庫がないし、店内は暗いし、
計画停電だし、電車も動いたり動かなかったりだし、日々哀しいニュースが流れているし、
普通に過ごそうと思っても、やはりどこか心を痛めたまま、日々を送っているのかもしれない。
夜も何度も目が覚めてしまって、浅くしか眠れない。
揺れていないのに揺れていると感じてしまって、こわくて動けなくなるときがある。

今週は自宅対応を推奨されているので家で仕事をしてるけど、
地震から一度も暖房を入れていないので、寒くてふるえながら仕事してる。
元道民の意地というか…
これぐらいの寒さなんかぜんぜん平気なんだからねっ!!
みたいな感じでずるずる暖房つけられないまま、今に至っている。
でも寒さのせいか、夜たべるあったかいご飯とか、お風呂とか、めちゃめちゃしみる。
ほんとにありがたいなぁと思う。

姉からは原発が心配だから北海道に帰ってこいとメールがあったけど、
もはや東京のほうが大事な人が増えてしまって、帰るわかにはいかなくなってしまった。
自分ひとりで帰ったところで、残してきた人のことを思って不安でまた寝れないだろう。
今回のことで、自分がどうにかなるのが怖いんじゃなくて、
大事な人がどうにかなってしまうのが怖いんだということに気づいた。
そういうものが、私にでもできてしまったんだと。
でも、だからこそ、最後まで、大事な人を全力で大事にして生きていこう、とも思った。

今回の地震は私にとって、大事なことを教えてくれた。大事な決意をさせてくれた。
この日は一生忘れないと思う。
by chihosh717 | 2011-03-18 17:32 | 日々・雑感


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